[00:16.04]「昨日人を殺したんだ」 [00:18.45]君はそう言っていた。 [00:21.40]梅雨時ずぶ濡れのまんま、 [00:23.39]部屋の前で泣いていた。 [00:26.79]夏が始まったばかりというのに、 [00:29.39]君はひどく震えていた。 [00:31.81]そんな話で始まる、 [00:33.49]あの夏の日の記憶だ。 [00:36.24]♪ [00:56.11]「殺したのは隣の席の、 [00:58.01]いつも虐めてくるアイツ。 [01:01.10]もう嫌になって、 [01:02.25]肩を突き飛ばして、 [01:04.15]打ち所が悪かったんだ。 [01:06.75]もうここには居られないと思うし、 [01:09.40]どっか遠いとこで死んでくるよ」 [01:12.12]そんな君に僕は言った。 [01:14.18] [01:14.43]「それじゃ僕も連れてって」 [01:16.67] [01:17.40]財布を持って、ナイフを持って、 [01:20.04]携帯ゲームもカバンに詰めて、 [01:22.73]いらないものは全部壊していこう。 [01:28.01]あの写真も、あの日記も、 [01:30.73]今となっちゃもういらないさ。 [01:33.41]人殺しとダメ人間の君と僕の旅だ。 [01:42.06] [01:44.08]そして僕らは逃げ出した。 [01:46.43]この狭い狭いこの世界から。 [01:49.28]家族もクラスの奴らも何もかも [01:51.76]全部捨てて君と二人で。 [01:54.82]遠い遠い誰もいない場所で二人で [01:57.56]死のうよ。 [01:59.39]もうこの世界に価値などないよ。 [02:02.05]人殺しなんてそこら中湧いてる [02:04.07]じゃんか。 [02:05.47]君は何も悪くないよ。 [02:07.53]君は何も悪くないよ。 [02:10.62]♪ [02:26.73]結局僕ら誰にも [02:27.93]愛されたことなどなかったんだ。 [02:31.42]そんな嫌な共通点で僕らは [02:33.92]簡単に信じあってきた。 [02:37.41]君の手を握った時、 [02:39.01]微かな震えも既に無くなっていて [02:42.73]誰にも縛られないで二人線路の上を [02:45.75]歩いた。 [02:47.44] [02:48.15]金を盗んで、二人で逃げて、 [02:50.71]どこにも行ける気がしたんだ。 [02:53.35]今更怖いものは [02:55.02]僕らにはなかったんだ。 [02:58.74]額の汗も、落ちたメガネも [03:01.43]「今となっちゃどうでもいいさ。 [03:03.85]あぶれ者の小さな逃避行の旅だ」 [03:12.80] [03:14.73]いつか夢見た優しくて、 [03:16.69]誰にも好かれる主人公なら、 [03:20.08]汚くなった僕たちも [03:21.45]見捨てずにちゃんと [03:22.83]救ってくれるのかな? [03:25.43]「そんな夢なら捨てたよ、 [03:27.16]だって現実を見ろよ。 [03:29.40]シアワセの四文字なんてなかった、 [03:32.71]今までの人生で [03:33.76]思い知ったじゃないか。 [03:36.08]自分は何も悪くねえと誰もがきっと [03:39.38]思ってる」 [03:41.50]♪ [03:57.45]あてもなく彷徨う蝉の群れに、 [04:00.03]水も無くなり揺れ出す視界に、 [04:02.68]迫り狂う鬼たちの怒号に、 [04:05.35]バカみたいにはしゃぎあい [04:07.08]ふと君はナイフを取った。 [04:09.36]「君が今まで [04:10.29]傍にいたからここまでこれたんだ。 [04:13.61]だからもういいよ。もういいよ」 [04:15.83] [04:16.09]「死ぬのは私一人でいいよ」 [04:18.74]♪ [04:28.09]そして君は首を切った。 [04:30.35]まるで何かの映画のワンシーンだ。 [04:33.42]白昼夢を見ている気がした。 [04:36.05]気づけば僕は捕まって。 [04:38.70]君がどこにも見つからなくって。 [04:41.46]君だけがどこにもいなくって。 [04:43.70] [04:44.06]そして時は過ぎていった。 [04:46.35]ただ暑い暑い日が過ぎてった。 [04:49.30]家族もクラスの奴らもいるのに [04:52.01]なぜか君だけはどこにもいない。 [04:54.40] [04:54.72]あの夏の日を思い出す。 [04:56.94]僕は今も今でも歌ってる。 [04:59.98]君をずっと探しているんだ。 [05:02.66]君に言いたいことがあるんだ。 [05:05.08] [05:05.36]九月の終わりにくしゃみして [05:07.76]六月の匂いを繰り返す。 [05:10.44]君の笑顔は [05:11.77]君の無邪気さは [05:13.36]頭の中を飽和している。 [05:15.77] [05:16.06]誰も何も悪くないよ。 [05:18.74]君は何も悪くはないから [05:21.41]もういいよ。 [05:22.34]投げ出してしまおう。 [05:23.77] [05:24.07]そう言って欲しかったのだろう? [05:26.40]なあ?