[00:16.17]「昨日人を殺したんだ」 [00:18.52]君はそう言っていた。 [00:21.43]梅雨時ずぶ濡れのまんま、 [00:23.44]部屋の前で泣いていた。 [00:26.73]夏が始まったばかりというのに、 [00:29.40]君はひどく震えていた。 [00:31.82]そんな話で始まる、 [00:33.59]あの夏の日の記憶だ。 [00:36.49]♪ [00:56.10]「殺したのは隣の席の、 [00:58.05]いつも虐めてくるアイツ。 [01:01.20]もう嫌になって、 [01:02.28]肩を突き飛ばして、 [01:04.06]打ち所が悪かったんだ。 [01:06.72]もうここには居られないと思うし、 [01:09.36]どっか遠いとこで死んでくるよ」 [01:12.17]そんな君に僕は言った。 [01:14.08] [01:14.38]「それじゃ僕も連れてって」 [01:16.87] [01:17.37]財布を持って、ナイフを持って、 [01:20.05]携帯ゲームもカバンに詰めて、 [01:22.76]いらないものは全部壊していこう。 [01:28.10]あの写真も、あの日記も、 [01:30.73]今となっちゃもういらないさ。 [01:33.40]人殺しとダメ人間の君と僕の旅だ。 [01:42.06] [01:44.13]そして僕らは逃げ出した。 [01:46.46]この狭い狭いこの世界から。 [01:49.35]家族もクラスの奴らも何もかも [01:51.80]全部捨てて君と二人で。 [01:54.83]遠い遠い誰もいない場所で二人で [01:57.62]死のうよ。 [01:59.48]もうこの世界に価値などないよ。 [02:02.09]人殺しなんてそこら中湧いてる [02:04.07]じゃんか。 [02:05.45]君は何も悪くないよ。 [02:07.60]君は何も悪くないよ。 [02:10.83]♪ [02:26.84]結局僕ら誰にも [02:28.02]愛されたことなどなかったんだ。 [02:31.51]そんな嫌な共通点で僕らは [02:34.01]簡単に信じあってきた。 [02:37.51]君の手を握った時、 [02:39.09]微かな震えも既に無くなっていて [02:42.77]誰にも縛られないで二人線路の上を [02:45.79]歩いた。 [02:47.49] [02:48.12]金を盗んで、二人で逃げて、 [02:50.73]どこにも行ける気がしたんだ。 [02:53.39]今更怖いものは [02:55.04]僕らにはなかったんだ。 [02:58.71]額の汗も、落ちたメガネも [03:01.48]「今となっちゃどうでもいいさ。 [03:03.91]あぶれ者の小さな逃避行の旅だ」 [03:13.15] [03:14.76]いつか夢見た優しくて、 [03:16.71]誰にも好かれる主人公なら、 [03:20.09]汚くなった僕たちも [03:21.47]見捨てずにちゃんと [03:22.85]救ってくれるのかな? [03:25.45]「そんな夢なら捨てたよ、 [03:27.20]だって現実を見ろよ。 [03:29.46]シアワセの四文字なんてなかった、 [03:32.78]今までの人生で [03:33.79]思い知ったじゃないか。 [03:36.03]自分は何も悪くねえと誰もがきっと [03:39.36]思ってる」 [03:41.49]♪ [03:57.42]あてもなく彷徨う蝉の群れに、 [04:00.06]水も無くなり揺れ出す視界に、 [04:02.70]迫り狂う鬼たちの怒号に、 [04:05.37]バカみたいにはしゃぎあい [04:07.15]ふと君はナイフを取った。 [04:09.43]「君が今まで [04:10.36]傍にいたからここまでこれたんだ。 [04:13.70]だからもういいよ。もういいよ」 [04:15.97] [04:16.08]「死ぬのは私一人でいいよ」 [04:28.05] [04:28.10]そして君は首を切った。 [04:30.35]まるで何かの映画のワンシーンだ。 [04:33.55]白昼夢を見ている気がした。 [04:36.11]気づけば僕は捕まって。 [04:38.73]君がどこにも見つからなくって。 [04:41.50]君だけがどこにもいなくって。 [04:43.76] [04:44.12]そして時は過ぎていった。 [04:46.42]ただ暑い暑い日が過ぎてった。 [04:49.34]家族もクラスの奴らもいるのに [04:52.06]なぜか君だけはどこにもいない。 [04:54.41] [04:54.70]あの夏の日を思い出す。 [04:57.01]僕は今も今でも歌ってる。 [04:59.99]君をずっと探しているんだ。 [05:02.71]君に言いたいことがあるんだ。 [05:05.06] [05:05.35]九月の終わりにくしゃみして [05:07.72]六月の匂いを繰り返す。 [05:10.39]君の笑顔は [05:11.76]君の無邪気さは [05:13.47]頭の中を飽和している。 [05:15.84] [05:16.04]誰も何も悪くないよ。 [05:18.75]君は何も悪くはないから [05:21.39]もういいよ。 [05:22.44]投げ出してしまおう。 [05:23.74] [05:24.06]そう言って欲しかったのだろう? [05:26.39]なあ?